統一球が変わってボールが飛ぶようになった気がするようになった経緯と影響をモロに受けた選手など
オッサンがひとりやめりゃええってもんでもないと思っとります。
まいどです。虎講師です。怒りがおさまりませぬ。が、ここはひとつ冷静にいろいろと考えてみたいと思います。
【ボールの反発係数】
プロ野球で使うボールでは「どれぐらい反発するものを利用するか」が規則で決められています。数値としては0.41-0.44。
これ、どれぐらい違うかというと、0.01違えば飛距離は2m違うと言われています。0.03違えば6m、でかい!つまりフェンス直撃の打球がオーバーフェンスするようなケースも発生するということです。
【参考】 http://www.excite.co.jp/News/sports_g/20130613/Mainichi_20130613k0000m050106000c.html
ライナー性の強烈な打球なのか、たかーく上がる滞空時間の長い打球なのかによっても飛距離の差は違いそうですね。
【統一球採用の経緯】
2010年のシーズンまでは規則に定められている範囲で、各球団が任意のメーカーのボールを選んで使っていました。つまり、試合をやる球場によって飛ぶボールと飛ばないボールが存在したのです。
M社のボールはよく飛ぶとか、S社のボールは飛ばないとか、いろいろあったみたいです。
これはいかんということで、全球団どの球場でも同じボールを使おうということになりました。これがいわゆる「統一球」です。
シーズンオフに統一球の採用が発表され、次のシーズンはどんな野球になるのか話題になったものです。
ポイントは「反発係数」でした。リリースでは「限りなく規格値下限の0.4134に近づけて製造していきます。」とあります。つまり「来年からボールが飛びにくくなるよー」っていうことですね。
【参考】統一球製造メーカーミズノ社から発信された当時のニュースリリース
http://www.mizuno.co.jp/whatsnew/news/nr100823/nr100823.html
【ペナントレース】
明け2011年、続く2012年、統一球を用いてのペナントレースが行われました。飛ばなくなったボールの影響は顕著に出ました。
ね。。なんちゅう顕著。。。
「得点が入らない」「野球が小さくまとまる」など、要はプロ野球がおもしろくなくなったという意見が2011年の中盤頃から言われるようになりました。
(個人的には締まって好きなんですけどね、あんまり点の入らない試合って)
実はここで問題が発生していました。
「限りなく規格値下限の0.4134に近づけて製造していきます。」のはずだったんですが、実際はなんと下限を下回る0.407という、文字通り規格外に飛ばない球も利用されていたのです。(この事実は当時は非公表。2013年6月11日に初めて明らかになる。)
2012年4月24日にはプロ野球選手会(新井貴浩会長:当時)がNPBに「飛ばなさすぎる、反発係数を見なおしては?」と提案。ただし、変更するかどうかはNPBの判断に委ねるとのやりとりがあったようです。
しかし、2013年になってもNPBからは何の発表もなく、結局前年までと同じ反発係数の統一球が使われることになりました。
オープン戦はなにごともなく、公式戦スタート。すると。。。
「飛ぶ統一球」ミステリー…3年目の異変 なぜ本塁打数アップ?
1試合平均1・41本の、最終的には1200本を超える計算になるペースでのホームランが量産され始めたのです。
おかしい。。おかしい。。。球が飛ぶようになったのか??それとも統一球採用3年目でバッターが慣れたのか???
それでもNPB側は「前年までのボールと全く変わっていない」と言い続けました。
【参考】http://www.jiji.com/jc/zc?k=201305/2013051300685
いろんな説が流れました。しかしやはり日々試合をしている選手たちは「ボールが飛ぶ」ようになったことを確信していたようです。
2013年6月11日 プロ野球選手会会長 嶋基宏選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)がNPB下田邦夫事務局長に詰め寄ります。
下田事務局長は吐きました「今年から飛ぶボールになっています。加藤コミッショナーと相談してきめました。隠していてごめんなさい。」と。
【参考】http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/06/11/kiji/K20130611005992780.html
【影響〜ボールが飛ぶようになると何がどう変わるのか】
・打者が有利になる
当然ですね。球が飛ぶようになるということは、普通のレフトフライがフェンス直撃の2ベースに、フェンス直撃の2ベースがフェンスオーバーに、こんなケースが増えるわけです。
打率・打点・ホームランなど打者の成績はアップします。試合も大味になります。
・投手が不利になる
防御率・被安打率・被本塁打率など、投手の数値は軒並みダウンします。昨年までならインコース高めのまっすぐで詰まらせて内野フライに打ちとっていた打球が、外野との間まで飛んでポテンヒットになります。低めでゴロに打ち取っていた打球が高くバウンドして内野のアタマを超えるヒットになります。
〜これだけなら「野球がおもしろくなる」ので良いかもしれません。しかし。
・出来高契約の前提が崩れる
プロ野球の契約は通常シーズン終了後、年内に来年の条件を決める形で行われます。つまり「今年の結果」をベースに来年の収入が決まるのです。
そこで、「防御率3.00以下ならボーナス」とかいう契約をしていた投手はえらいこっちゃですよね。
打者の場合は「ホームラン20本以上ならボーナス」「3割打ったら2000万」とかいう契約をしていたらウハウハです。余裕で超える選手が続出するでしょう。「えらいこっちゃ」なのは球団です。打者への出来高支払い金額負担が確実に増えます。(その分投手に払う分は減るんですが)
【2011-12 飛ばない統一球の影響をもろに影響を受けていた選手たち】
小笠原道大(読売)
本塁打数激減
森野将彦(中日)
本塁打数・打率激減
本塁打数激減(2012年退団)
その他多数。
一概にボールだけが原因なのかはわかりません。しかし、今年になって突然当たりが戻り始めた小笠原選手や森野選手と見ていると、ねぇ。
ブラゼル。。。(泣)
【ネタ】
井川の発言
「飛ばないボールを経験していないので、何とも言えない。面倒くさいことをやっているな、と思う。飛ばない時にやりたかった」と話した。昨年は開幕直前にオリックスに入団し、12試合で2勝7敗。飛ばないボールに対応する時間も少なく、「恩恵」を受けられなかった。
お前おったやろwwww(※2012年成績 2勝7敗 防御率4.65)
http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20130612-1141526.html
【なぜ変えたことを公表しなかった】
正面切って言うと、「飛ぶようになったと公表するだけで良かったのではないか、なぜ言わなかった!!」ということです。それに対するNPB側の説明は「混乱を招かないように」と。
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130612-1141196.html
でもたぶん、いくらバカとは言えNPBの運営側も「公表したほうがいい」ことはわかっているはず。では、なぜ今年公表しなかったのかを想像してみましょう。
・規格外ボールの存在を隠滅したかった
2012年に利用されていた「規格外に飛ばないボール」が存在したことを認めるわけにはいかなかった。なので黙って変えた。
・選手会に言われて変えたと思われるのがイヤだった
幼稚ですが、あの会見みてたらそれもあるのかなと。
・もっと何かヤバいことがある。
会見で発表されている「黙ってボールを変更した理由」が不自然すぎます。そしてオープン戦で在庫処分し、公式戦から変えたという流れも、「シーズンのための練習試合」という位置づけもあるオープン戦をあまりにも軽視しています。これはなんかあるんじゃないかと考える方が、僕は自然かと。
【言い分】
・「知らなかった」
あら、ご興味ないんですねぇ。お名前書いてるのに。
・「知ってたら公表していた」
だから知らせられない上司って、下界ではダメな上司の典型なんですが。
・「不祥事ではない」
んじゃなんで部下やめるん?
・「加藤さんに相談➝(翌日)相談していない 混乱していた」
バカ!おれは聞いてないと言え!(Kさん)
【結論】
本人たちは絶対に事実を吐くことができない、何かおおきなチカラが働いている可能性アリ。内部告発求む。
小宮山さんがきになることを。。。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/komiyamasatoru/20130613-00025661/
虎講師でした。
【さいごに】
オレの大好きな野球をめちゃくちゃにしやがって。